道南ハイヤー「キング」を吸収
update 2014/3/13 09:48
道南ハイヤー(函館市桔梗町、加納康史社長)は12日、キングハイヤー(美原2、今川芳久社長)からタクシー事業と運転代行事業の譲渡を受けたと発表した。15日からキング社の全車両と従業員を引き継いで営業する。車両台数は85台となり、函館交通圏では第3位の規模になる。今回の吸収合併は台数の確保による経営の安定化、効率化が狙い。減車の動きが進む中、業界再編は一段と加速しそうだ。
道運輸局が2月26日、事業の譲渡、譲受を認可した。キング社は1963年設立の老舗事業者。保有する特定大型車2台と小型車43台、乗務員76人、事務職6人を道南ハイヤーが引き継ぐ。譲渡額は非公表。
道南ハイヤーは69年に設立。今回の吸収合併は「市場の縮小による競争激化、減車の動きが進む中で生き残りをかけた戦略」(同社)。また、北海道新幹線開業で観光客の需要増加を見込み、台数の確保を図った。キング社側に打診し、昨年12月に合意に至ったという。
キング社は拠点のある美原のほか、赤川、富岡などの地域に強い営業基盤があり、高齢者の利用も多いことが特徴。一方、道南ハイヤーはホテルへの乗り入れなど観光分野、法人に強い。同社は「得意先が競合していなかったので、合併を機に互いの強みを伸ばしたい」と、相乗効果に期待する。
キング社の運転代行は、100%子会社を設立し、営業を継続する。合併後の車両台数は85台(特定大型5台、大型1台、小型車79台)で、相互交通、函館タクシーに次いで第3位となる。キング社から引き継いだ車両のデザインは順次、道南ハイヤーのものに統一する。
タクシー業界は利用者の減少、燃料費の高止まりなどで苦しい経営が続く。ここ数年で廃業や道外企業の傘下に入るといった動きもあることから、業界関係者からは「減車の流れと相まって、体力のない中小事業者を中心に業界再編の流れが加速するのでは」と指摘する声が聞かれた。
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