JR北脱線はレール異常放置原因、運輸安全委が経過報告書
update 2014/3/1 10:21
昨年9月にJR函館線大沼駅構内で発生した貨物列車の脱線事故で、国土交通省運輸安全委員会は2月28日、調査の経過報告書を公表した。現場では少なくとも過去3年間はレールを補修した記録がなかったとし、異常放置が脱線事故に結びついたと指摘した。
報告書によると、事故現場付近のレール幅の超過は最大で社内整備基準(19ミリ)を大きく超える40ミリ。脱線の危険性がある43ミリに近い数値だった。
現場は緩やかな左カーブだったが、レールが右側に最大70ミリずれていたため、カーブがさらにきつくなっていた。
加えて、左カーブでは通常、レールに負担をかけないよう右側を高くしてあるが、実際には左側が10ミリ高くなっていたため、遠心力で右側に強い力が加わり、事故列車の通過時にレール幅がより拡大した。
報告書では、貨物列車が通過した際にレールを枕木に固定するくぎがずれ、レールが傾く「小返り」が発生した可能性が高いと指摘した。そのため左車輪が内側に落ち、脱線した。くぎはレールから最大25ミリ離れていた。
現場の2番副本線に敷設していた木製の枕木は昨年8月にJR北海道が検査。830本中229本が「不良」と判定されていた。状態に関する記載はなかったが、レールを固定するくぎが抜けたり、曲がったりしやすかったとみられる。
運輸安全委は同社の脱線発生のメカニズムや安全管理体制を詳しく調べるともに再発防止策を検討し、最終報告をまとめる。
同社は「鉄道事業者として極めて重大なことで、決してあってはならない事象であると厳しく受け止めています。安全確保のために必要な措置を講じていきます」とコメントした。
脱線事故は昨年9月19日午後6時5分ごろ、同駅構内の2番副本線のカーブで発生。貨物列車の6〜9両目が脱線したが、けが人にはいなかった。
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