大間差し止め議案を提出 函館市議会

update 2014/2/28 09:50


 電源開発(東京)が建設中の大間原子力発電所(青森県大間町)をめぐり、函館市の工藤寿樹市長は27日、国と同社を相手取り、建設差し止めと原子炉設置許可の無効確認を求める訴訟の関連議案を、同日開会した第1回定例市議会に提出した。同市長は「事故が起きれば危険が大きいとされる函館市や道南への説明も同意もなく建設工事が再開された一方で、地域防災計画や避難計画策定を義務付けられるのは整合性に欠け、理解しがたい」と提案理由を説明した。

 議案は訴訟の提起について議決を求めるもののほか、新年度補正予算に訴訟費用391万円を計上する2件。

 2012年10月の建設工事再開直後から訴訟の準備を進めてきた中、同市長は提案説明で「今後電源開発が安全審査を申請する予定で、既存原発の再稼働に関わって再び原発に対する世論の関心も高まる」と述べた。

 また、新年度の市政執行方針でも「私たちの住むこの街が、故郷が、日々の暮らしや財産が失われることがないよう、建設凍結に向けた訴訟を提起する」と表明した。

 可決には過半数の賛成が必要だが、市議会は12年9月、同原発の無期限建設凍結を決議しており、定例会最終日の26日に全会一致で可決する見通し。市は可決後の4月第1週に東京地裁に提訴する方針。

 市長の提案説明を傍聴した大間原発訴訟の会の竹田とし子代表(65)は「大間原発に反対して20年以上になるが、市長の発言を今日直接聞くことができ、その日が来たなと感じた」と歓迎。「原発は市民にとって大きな問題。函館市のように原発に反対する動きが全国各地に広がることを期待したい。函館市には頑張ってもらいたい」と話した。

提供 - 函館新聞社


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