低い海水温 魚弱る…桧山沿岸部
update 2014/2/26 09:40
奥尻を除く桧山管内沿岸全域の海水温が、極めて低い状態になっている。この時期は例年5〜6度だが、現在はオホーツクの流氷海域並みの1度で、弱って海辺に漂着したとみられる魚も複数確認されている。アワビやウニなどの成育への悪影響も懸念され、関係機関が情報収集と対策を急いでいる。
桧山南部地区水産技術普及指導所(宮本正夫所長)によると、異常低温は17日ごろから。南方からの対馬暖流の勢力が弱いためで、宮本所長は「一時的な低温はあるが、これほど長引くのは異例」という。
上ノ国町栽培漁業総合センターでは、1999年から水温を記録しているが「この異常低温は初めて」。同町石崎から汐吹地区まで7〜8`の海岸に瀕死の魚が打ち寄せられている。22日は深い海域で生息するカナガシラも見つかった。
同指導所によると、低温で魚が冬眠状態となり流れ着いた可能性が高い。沖合で魚が浮いているという漁師からの情報があるほか、はえ縄にも魚がほぼ全くかからず、「大きなしけがあれば弱った魚が大量に海岸に流れ着く可能性もある」とみる。
低水温はアワビの成育に悪影響を及ぼす。管内の養殖施設では、被害防止には決定策はなく、「えさをやったり、触れたり動かすなどの外部からの刺激を与えず、そのまま見守るしかない」(関係者)のが現状。
近隣のサケ稚魚栽培にも影響。稚魚は水温3度以上を好むため、例年3月上旬の海中飼育が遅れることも予想される。
同指導所は「水面からかなり深いところまで低温だと思われる。被害食い止めに向けて関係機関と連絡を密に、情報収集などの適切な対応を図りたい」としている。
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