エゾシカの農林被害防げ 渡島地域対策連絡協が発足

update 2014/2/20 10:05


 道東を中心に近年急増しているエゾシカの適正な保護管理や農林業の被害防止などに取り組もうと、渡島地域エゾシカ対策連絡協議会(会長=鎌田慶一・渡島総合振興局保健環境部環境福祉長)が19日、発足した。渡島総合振興局や各市町、農林業関係団体など約50団体で構成。同日、渡島合同庁舎で初会合を開き、同局は管内のエゾシカによる農林業被害状況を報告した。

 報告によると、2012年度の農林業の被害金額は前年度の半数の1500万円で、道内全体(63億400万円)の0・2%程度。09年度の3800万円をピークに3年連続で減少している。

 市町別では、函館市が1000万円と全体の3分の2を占め、長万部町200万円、福島町、知内町各100万円だった。ジャガイモや根菜類の被害が目立った。

 2000年以降、鳥獣別の被害額は、06年度まではヒグマがエゾシカをほぼ上回っていたが、07年以降逆転している。

 エゾシカ捕獲数は05年度の狩猟解禁以降、年々増加し、12年度は1155頭(狩猟723、許可による捕獲432頭)と初めて1000頭を超えている。道内全体は14万4414頭(6万9271頭、7万5143頭)。

 会合では、3月の定例道議会に提案する道エゾシカ対策推進条例の制定案の内容を紹介。エゾシカを食肉などに有効活用する道の考えに、猟友会の会員は「捕獲した後の処理に困っており、今は相当数獲ったら穴を掘って埋めるしかない。捕獲した後の体制づくりを」と指摘した。

 道によると、エゾシカの生息数は全道で約59万頭と推定される。

提供 - 函館新聞社

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