18年ぶり「収支均衡」 函館市新年度予算案

update 2014/2/13 09:56


 函館市は12日、2014年度の予算案を発表した。一般会計は本年度当初比5・6%増の1369億600万円で2年連続の増額。一般会計としては過去最大で、財源調整のための基金繰り入れを行わない収支均衡予算とした。函館アリーナ建設工事の本格化などが予算規模を押し上げたが、行財政改革の効果や合併特例債の活用などで、財源不足解消につなげた。27日開会の第1回定例市議会に提案する。

 特別会計は同0・7%増の845億4500万円、企業会計は同27・7%増の537億5100万円、全会計総額は同7・6%増の2752億200万円。

 一般会計の歳入では、市税収入は個人、法人市民税ともに増収を見込み、同2・5%増の321億1700万円。普通交付税は同1・9%増の339億9000万円、臨時財政対策債など交付税全体で405億2700万円。

 収支均衡予算は1996年度以来18年ぶり。行財政対策の効果額は16億4600万円で、財源不足を補う財政調整基金や減債基金に頼らない編成とした。両基金残高は本年度末で約25億4800万円。

 事業財源として、地域振興基金の15億3500万円を繰り入れる。うち13億3500万円は国の交付金で、実質的な基金活用は中心市街地活性化事業に充てる2億円のみ。学校耐震化や学校再編に伴う統合校開設には、公共施設整備等基金の5億円を充てた。

 市債は、通常債が同17・9%増の104億2300万円で、うち合併特例債は65億7700万円。市債残高は全会計で2552億8600万円で、本年度より約10億円増加した。

 主な歳出では、人件費は行革効果で同1・1%減の181億8700万円。扶助費は同0・6%増の394億円。約220億円が生活保護費だが「伸びは鈍化している」(財務部)。国の臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金事業に伴い、補助費が増加した。

 主な事業では、函館アリーナ整備に約52億円、日吉多目的グラウンドは「函館フットボールパーク」と改称し、整備費に約6億円を計上。供用開始は来年8月。福祉関連では、日吉4丁目団地跡に計画する福祉コミュニティエリアの基本構想の策定、子育てや高齢者介護の支援を充実させた。

 観光振興では、北海道新幹線開業に向けたイベントなどの経費を予算化。海外関連では東南アジアに力点を置く。国際水産・海洋総合研究センターは6月供用に向けて、管理運営費を計上した。2年目の中心市街地活性化基本計画関連では、旧WAKOビル、旧グルメシティ五稜郭店の再開発関連の整備が本格化する。

 このほか、若松地区の旅客船埠頭(ふとう)整備に向けた港湾計画変更の経費、赤川高区浄水場への小水力発電設備の整備、ドクターヘリの運航経費などを各会計に盛り込んだ。

 工藤寿樹市長は「経済再生、財政再建もまだまだ途中だが形づくりができた」と述べた。

提供 - 函館新聞社

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