上ノ国と江差 今季初の採卵・授精

update 2014/2/11 10:17


 【上ノ国、江差】上ノ国と江差の両町で10日、天然ニシンのまとまった水揚げがあり、今夏の放流に向けて、関係者が今季初の採卵・人工授精作業を実施した。11日も水揚げが予想され、地域一丸で臨む資源復活事業に期待が高まっている。

 桧山各町と八雲町熊石、ひやま漁協で組織する「ひやま地域ニシン復興対策協議会」(会長・工藤昇上ノ国町長)の事業。10日朝に上ノ国で45匹、江差19匹が刺し網にかかり、このうち魚卵が熟した雌は計13匹で、人工授精させて約60万の受精卵を確保した。協議会は、この1週間内にさらに40万の受精卵の確保を狙う。

 受精卵は2〜3週間でふ化し、うろこがつく体長5センチに育ててから放流する。早ければ、上ノ国で5月下旬から6月上旬に約10万匹を放つ計画。

 受精卵は桧山北部のせたなから奥尻を含む南部各町の漁協支所にも配り、各漁港などで自然ふ化と放流を展開する。実現すれば桧山一帯で初の大規模な放流となる。

 事業を助言する桧山南部地区水産技術普及指導所の宮本正夫所長は「ニシンの姿が漁師や漁協、役場関係者の意欲をかきたててくれる。この桧山一丸で臨む姿勢が重要」。工藤会長は「まかぬ種は生えない。すぐに結果は出ないかもしれないが、着実に成果は出てきている」としている。

提供 - 函館新聞社

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