釧路の水産加工業、乙部に進出

update 2014/2/1 10:13


 【乙部】国内大手の水産加工業「マルサ笹谷商店」(本社・釧路市、笹谷正幸会長)が、乙部町館浦地区に新工場を稼働させる意向であることが31日、分かった。町側に打診し新年度早々の操業に向けて最終調整に入っている。将来的に地場の水産物を活用するほか、30〜40人規模の地元雇用などを図る方針で、地域経済の活性化が期待されている。

 同社は主力のイクラやタラコ、特製だれで漬け込んだ「ピリ辛さんま」のほか、すり身では年間2万7000d前後を生産している。年商は170〜200億円前後。同計画については、主要株主の日本水産からも了承を得たという。

 町によると、乙部工場は町内のCAC化粧品工場に隣接する鉄骨2階建て(延べ約1500平方b)に計画。この建物は現在、CAC化粧品が地元業者に賃貸しているが、本年度内にCACが町に譲渡し、町が所有者となって笹谷商店に当面貸し付ける。建物の改修費は町が一部負担する。

 乙部工場の計画は、笹谷会長が乙部出身であることから実現。「古里の活性化に貢献したい」という気持ちが強かったという。従業員は通年雇用する考え。

 新工場の取り扱い商品は未定だが、「乙部には一本釣りのスケトウダラや品質の良いタラコがある」と乙部ならではの新商品開発も視野に入れているという。

 寺島光一郎町長は「古里を大事に思ってくれることがうれしい。歓迎したい」。同社の笹谷剛専務は「なるべく早い時期の工場操業を目指したい」としている。

 同社は現在、釧路に9工場がある。

提供 - 函館新聞社

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