脱線火災を想定し乗客避難 石勝線の事故受け

update 2014/1/30 09:55


 【七飯】JR北海道函館支社は29日、JR函館線の新峠下トンネル(1・25キロ)内で、列車脱線火災を想定した訓練を実施した。

 訓練場所は昨年9月に発生した貨物列車脱線事故現場から函館側に約2キロの地点。今回の訓練は、2011年5月に発生した石勝線の特急車両脱線火災事故を受けて実施した。冬季間にトンネルで訓練するのは初めてで、JR社員のほか、JR貨物、函館中央署員ら約160人が参加した。

 函館発大沼行きの普通列車(3両編成)を使用。脱線後に最後部の1号車床下から出火し、トンネル入口から約700メートル先で停車した―という想定。

 午前11時10分ごろ、函館指令センターから連絡を受けた運転士と車掌が車両を降りて火災を確認後、エンジンを止め、先頭車両の貫通扉を開け乗客役のJR社員ら92人がはしごで一人ずつ降車した。発煙筒の煙が充満する中で、社員らはハンカチを口に当てるなどし、誘導に従ってトンネル内を歩いて移動した。同45分ごろ、すべての避難が完了した。

 訓練後に鈴木理夫次長は「厳冬の訓練をやっておきたかったので、状況に適した場所として以前から計画を立てていた。また、一連の問題で社員も安全意識を持っていたと思う。想像以上にスムーズにできた」と講評した。今後は参加した社員を対象にアンケートを実施し、意見を反映させて訓練を生かしていく方針。

提供 - 函館新聞社

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