道南唯一の装蹄師・小松さん 変わらない馬への愛着
update 2014/1/3 10:36
【七飯】七飯町峠下の小松美智也さん(48)は、道南でただ一人開業している装蹄師(そうていし)だ。馬の脚の専門家として依頼を受けて全道各地を回り、道外から仕事が舞い込むことも。馬への愛着と職人としての誇りを胸に、馬と向き合っている。
装蹄師は、古い蹄鉄を外し、削蹄(爪切り)、そして新しい蹄鉄を取り付ける。蹄鉄は長くて2カ月、早くて1カ月で付け替える。人間に靴を履かせるのと同じで、けがの予防や運動をするために足回りのケアは重要。競走馬だと、レース結果を左右する可能性もあるという。
小松さんは実家で馬を飼っており、装蹄作業を見て育った。18歳で弟子入り、2人の親方から見聞きして技術を習った。7年半の修行を経て独立、2級認定装蹄師の資格を持つ。
小松さんが手掛けるのは主にばん馬。ばん馬といえば、帯広市が通年開催しているばんえい競馬があるほか、道南でも北斗市や森町、厚沢部町などで草ばん馬大会が盛ん。馬の飼育頭数は減っているが、こうした地域需要に応えている。道外では、京都まで出張した経験もあるという。
作業は馬を枠に入れ、脚を持ち上げて行う。体重が1トン以上あるばん馬に蹴られると命を落とすこともあり、いつも危険と隣り合わせだ。「馬が暴れそうなときは、経験と勘で対応できる」と小松さん。「馬が好きだし、外に出掛けていってお客と会話できるのが楽しい」と話す。
中腰で作業し体力もいる。それでも「仕事が終わって、お客から喜ばれるのが何よりうれしい」と職人の顔を見せる。午(うま)年を迎え、「馬がいる限りは、この仕事を頑張っていきたい」と決意を新たにしている。
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