住宅街で馬を飼う、鈴木勝美さん

update 2014/1/2 11:07


 函館の住宅街の真ん中に馬がいる。市内昭和4の鈴木勝美さん(78)が、自宅近くに小屋を構えて馬の世話に励んでいる。運送業の主役はトラックに変わったが、好きな馬を残して現在12頭を飼う。「体が続く限りは続けたい」。馬を見つめるまなざしは誰よりも優しい。2014年は午年(うまどし)―。

 鈴木さんは16歳ごろから馬力運送を始め、輸送手段がトラックになっても馬を手放さなかった。登喜運送(現在は廃業)を営む傍ら、まちなかで馬の世話を続けてきた。

 現在飼うのはばん馬、北海道和種馬(ドサンコ)、ポニーの3種類。敷地内に4月オープン予定の高齢者施設の新築工事が進んでおり、馬を運動させる場所が狭まったため頭数を減らしたが、市街地で馬を多頭飼育する例は珍しい。ふん尿を適正処理しているため、近所からの苦情もないという。

 午前5時半に起床して餌やりや運動、小屋の掃除と息つく暇もない。ほとんど一人で手入れをしており、「毎日成長する姿を見るのが楽しい。わが子同然」。かつて共進会でチャンピオンを獲得した経験も。

 近年は馬を肉用に売っても安値で取引されることが多く、飼料代の値上がりなど飼育環境は厳しさを増す。それでも、飼い続けるのは生きがいだからだ。「馬は賢くてかわいい。馬がいなくなったら、一気に気力を失ってしまうかも」と笑う。馬と歩む人生。80歳を前にしても馬への強い愛情が衰えることはない。

提供 - 函館新聞社

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