松前病院長が辞意撤回

update 2013/12/20 09:53


 【松前】町立松前病院(100床、医師10人)の運営存続問題は19日、同病院で関係者による話し合いの場が持たれ、来年3月末での辞意を表明していた木村真司院長が「当面、ここでの医療を続けていきたい」と述べ、同院の運営を続けていくことを明言した。辞表を提出した医師の大半も残る見込みで、現医療体制が維持される方向となった。

 話し合いは、同町の前町長で衆院議員の前田一男氏の呼び掛けで行われた。出席したのは町側から石山町長、岡本順一副町長ら3人、病院側からは木村院長、八木田一雄副院長ら4人、町立松前病院を守る会からは高山智会長ら5人、立会人として前田氏、道保健福祉部の荒田吉彦技監、渡島総合振興局の中西猛雄局長。

 前田氏が「来年3月での辞職を撤回していただきたいという気持ちから場を設けた」と説明。町と院長双方の意見を聞いた。

 木村院長は石山町長に、覚書を履行し権限を尊重して全面的に病院運営に協力できるかについて確認。石山町長は辞表が提出されて以降、反省し考えていたと話し「町民の命と健康を守るために病院は不可欠。院長が良い環境で仕事ができるようにした。松前に残ってもらいたい」と慰留の言葉を口にした。

 また、木村院長は黒字決算だった昨年度の病院事業会計を不認定とした議会側の責任に言及。「(議会側には)何らかの対応を求めたい」とした。

 木村院長は終了後、「慰留を望む住民の声が大きかった」と今回の決断理由を説明。「(前病院事務局長には)ぜひ戻ってきてもらいたい」とした。

 石山町長も「いろいろな経過があったが、一安心した。心から感謝したい」、守る会の高山会長も「当面の残留という言葉を聞くことができてうれしい」と話していた。

提供 - 函館新聞社

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