生コン業界「ダブルパンチ」、需要減とコスト増
update 2013/12/8 10:05
原料価格や輸送費の高騰で生コンクリート業界が厳しい経営を強いられている。函館地区ではすでに北海道新幹線関連工事の需要がピークを過ぎており、出荷量は今後減少傾向で推移することが確実。業界関係者からは「需要減とコスト増加のダブルパンチ」と悲鳴が上がる。道内では生コン価格が上昇しており、道南でも値上げの動きが広がっている。
道南地区生コンクリート協同組合連合会によると、道南の3協同組合(函館、南北海道、北渡島)の出荷量のピークは1995年度の140万5660立方メートル。公共工事の減少に伴い年々減り続け、2008年度には44万3800立方メートルになった。
11年度は北海道新幹線関連工事による需要増加で62万6200立方メートルにまで持ち直したが、同連合会の成田眞一会長は「新幹線関連工事の需要はピークアウトし、需要環境は厳しい局面を迎えた。函館アリーナ建設など明るい材料はあるものの、長期的にみれば減少傾向はまぬがれない」とため息をつく。
本年度は3協組とも出荷量の当初計画を厳しく見積もり、合わせて30万1400立方メートルとしたが、それぞれ想定を上回る見込み。「民間需要や公共工事など新幹線工事以外の落ち込みが少なかったことが要因」(成田会長)。ただ、今年は全国的に原料の砂利や砂、セメントの価格が上昇。加えて燃料費の高騰で輸送費も大幅にアップし、経営に打撃を与えた。
コストが増加し、全国、道内で生コン価格が軒並み上昇。道南でも南北海道が10月から、北渡島も11月の工事発注分から1立方メートル当たりの価格を500円上げて1万6800円とし、値上げの動きが加速した。
函館は1万6200円のまま変えていないが、函館生コンクリート協同組合の理事長も務める成田会長は「苦しい状況は他地区と一緒。工場集約をにらみながら、値上げを模索していく」と話した。
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