LEDで海藻種苗生産 共和コン研究所など開発
update 2013/11/23 10:21
共和コンクリート工業海藻技術研究所(函館市弁天町、北山進一所長)などは、従来の蛍光灯に代わってLED(発光ダイオード)を利用し、コンブなどの海藻養殖に欠かせない種苗を生産するシステムを開発した。実用化に向けてマコンブの種苗を作り、今冬から実際に函館の海中での養殖が始まる。
「LEDの最適波長光照射による省スペース型海藻種苗生産システムの開発」で、経産省から補助を受けた。ほかに東和電機製作所(函館)、函館地域産業振興財団、北大水産学部が事業者。野菜や花卉(かき)栽培では、LEDの光を操作して出荷するビジネスが確立されている。こうした中、海藻での実用化に向けた研究に着手した。
LEDを使うと、従来より電気代などのコスト削減となる。また、適切な光の波長を効率よく照射することで種苗生産を早められるなど成長をコントロールできるほか、高品質な海藻の生産につながるという。
同所内に設置した種苗生産装置で赤、青、白、アンバー(オレンジがかった白色)の4色を使い、海藻を育てるのに必要な光量がどのくらいかなどを調査。ホンダワラ類(フシスジモク、ウガノモク)、コンブ類(マコンブ、ワカメ)についてデータを集め、まずマコンブの種苗を漁業者に使ってもらう。
東日本大震災による津波で壊滅的被害を受けた太平洋沿岸の種苗生産施設は再建しており、岩手県宮古市などは養殖ワカメやコンブが盛ん。成果を提供して漁業復興を支援したい考え。
ホンダワラ類は養殖されていないため、全国的に深刻な磯焼け問題に対応して藻場造成に活用してもらう。川越力主任研究員は「LEDによる種苗生産期間の短縮化や、高品質な種苗生産を実現し、被災地復興に貢献したい」と話している。
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