JR北海道の特急座席4割減 年末年始の混乱懸念
update 2013/11/22 12:09
JR北海道の列車減便の影響で、函館―札幌間の年末年始(12月27日〜1月5日)の特急列車の座席が4割減となることに、利用客から混乱を懸念する声が上がっている。利用交通機関の分散化が予想され、宿泊や観光業界からは安全運行と通常輸送の早期再開を願う声が大きい。
発表では、年末年始の函館―札幌間の特急「北斗」「スーパー北斗」は、臨時便を運行しても前年同期比43%減の約5万7000席しか用意できず、列車によっては例年以上の混雑が予想される。
21日に特急で函館駅に到着した札幌市の会社員、中垣内建史さん(48)は「出張で利用することが多いので、非常に困る」と語る。学生はもともと料金の安い高速バスの利用が多いため、大きな影響はない模様だが、函館市瀬戸川町の女性(73)は「札幌の娘と話しているとJRが不便に思うことが増えたよう。飛行機などへの乗り換えも考えている」という。
利用交通機関の変化は、現時点でも表れている。イマジンホテル&リゾート函館では、同じJRが扱う宿泊パックでも列車付き商品の客は減少しているが、列車なしの客は増えており、交通機関の利用が車や飛行機などに分散している傾向がうかがえるという。
旅館やホテルの年末年始の予約状況は「現時点では変化は見られない」(ロワジールホテル函館、旅館一乃松)との声がある一方、イマジンホテルは「近年は直前になっての予約も多いため、その時にならないと分からないが、影響は出るのではないか」とみる。改行 年末年始は観光地や商店も書き入れ時。カニなどを扱う函館朝市の男性(30)は「帰省などのついでに海産物を買って行ってくれるお客が多いので、影響がありそう」と心配顔。
座席減にJR北海道は、高速バスの利用を呼び掛けている。「高速はこだて号」を共同運行する北都交通は「予約は1カ月前からなので、まだ何とも言えない。予約状況を見ながら対応したい」。「函館特急ニュースター号」を運行する北海道バスは「例年に比べて乗客は増えている。年末年始に向けて増便を検討していきたい」と語った。
こうした中、市内の旅行代理店は、飛行機やバス、乗用車などに分散して混雑が緩和されていくのではないかとみる。そして「輸送の主力はJR。安全運行を第一に、きちんと再開できる体制を早く回復してもらいたい」と願う。
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