コンブのヨウ素 低減技術を開発 北大大学院と環境創研
update 2013/11/17 10:13
北大大学院水産科学研究院の関秀司教授(54)=化学工学=と、環境創研(函館市大町、川辺雅生社長)が、コンブのヨウ素低減技術を開発した。ヨウ素の過剰摂取は甲状腺の機能低下を招くとされ、コンブのおいしさを保ったままヨウ素を低減する技術により、誰でも食べられるコンブを提供できる。
コンブはヨウ素を多く含む食品。ヨウ素は、取り過ぎでも不足でも甲状腺に異常が生じる。厚生労働省が定めるヨウ素耐容上限量は健康な成人の場合で1日当たり2・2ミリグラムだが、乾燥コンブを1グラム食べると上限に達してしまう。
「コンブが好きだが、甲状腺障害が出て食べられない」という声を受けたのがきっかけ。競争吸着法によるイカ内臓(イカゴロ)からカドミウムを除去して有効利用する技術を開発しており、競争吸着法を応用してヨウ素を低減する技術を共同研究した。
関教授によると、陰イオン交換樹脂の入った特殊な水溶液にコンブを浸すことで、コンブのヨウ素を落とす。うま味などの有用成分はそのままに、ヨウ素を低減できるという。ヨウ素除去率は90%に上る。特殊な水溶液は、食品添加物として認可されているものを使っており、コンブの品質を保つのに威力を発揮する。
実用化に向け、同社に既に打診が来ているという。関教授は「ヨウ素を10%に低減しているので、1日に10グラムの乾燥コンブを食べても耐容上限量を上回らない」とし、「成人より耐容上限量が低い子どもや妊婦らにも、コンブを食べてもらえる」と話す。
関教授の指導のもと、木下洋輔さん(24)=修士1年=と小林秀輔さん(24)=学部4年=も、この研究に取り組んでいる。
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