マコンブ原産国を判別 DNA分析の新手法も

update 2013/11/3 10:21


 マコンブのDNA(デオキシリボ核酸)を調べたところ、国産、中国産、韓国産のそれぞれに特徴的な塩基配列があることが、道立工業技術センター(函館市桔梗町)などの研究で分かった。この配列は種類も見分けることができるため、一度の分析で原産国と種類を判別。また、アルギン酸分解酵素を使ったDNA分析法も開発し、短時間でより確実に分析可能となった。偽装防止やブランドを守る効果が期待される。

 函館マリンバイオクラスターの成果で、北大大学院水産科学研究院、農林水産消費安全技術センター(埼玉)、道総研食品加工研究センター(江別)と共同研究した。中国でもマコンブを生産しており、原産地表示が正しいかどうかを判定できる手法の開発が必要となっていた。

 国産、中国産、韓国産のマコンブについて、DNAを構成する4種類の塩基の並び方を調べたところ、中国、韓国産は90%以上特徴的な配列を持っていた。国産には中国、韓国産と同じ配列を持つものはなかった。原産国だけでなく、ガゴメコンブやミツイシコンブ、ナガコンブなどとの種類の違いも特定できる。

 コンブのDNA分析では、DNAを抽出する際に一緒に抽出されるアルギン酸が、分析するDNA領域の増幅を阻害。このため、DNA分析は手間が掛かっていた。研究で見つけたアルギン酸分解酵素を使うとアルギン酸を除去でき、DNA分析が確実になった。

 判別法と分析法がどこでも成功するように、現在マニュアル化を進めている。改良や妥当性を確認した上で、消費安全技術センターで検査できる形にする。

 工業技術センターの清水健志研究主任(41)は「偽装抑止や、国産認証として使える可能性がある。製品を差別化できるので、産地にもメリットがあると思う」と話している。

提供 - 函館新聞社


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