JR函館線で土砂崩れ、電柱傾く

update 2013/10/24 10:08


 【八雲】22日午後10時5分ごろ、八雲町栄浜のJR函館線落部―石倉間で、貨物列車の運転士が、線路沿いにある電柱が海側に傾いているのを見つけ、JR北海道司令センター(札幌)に連絡した。護岸壁下部が侵食され、電柱下の土砂が海に流れ出したことが要因とみられる。このため、23日は八雲―森間の運転を終日見合わせ、計33本が運休した。24日は始発から運転を再開する予定。

 同社によると、現場は落部駅から函館方向に約2キロ。台風26号通過による波浪の影響で、護岸壁下が浸食され、電柱の根元から約120立方メートルの土砂が海に流れ出した可能性がある。電柱の高さは地面から約8メートルで、45〜50度海側に傾いていた。線路から4・4メートル離れている。電柱は同社が管理し、通信や信号のために使われているが、電線の切断などの影響はなかった。同区間は、21日に点検した際は異常はみられなかった。

 コンクリート製の護岸壁は1945年に設置され、これまで一度も補修したことがないという。2年に1度のペースで点検しており、最後の点検は今年5月15日だった。

 23日は午前5時半ごろから、作業員約30人が復旧作業を始め、重機で土砂を掘り起こし、護岸壁に海水が入るのを防ぐために内側に鉄板を打ち込むなどして補修。周辺に砂利や土のうを積んだ。

 列車が通過する際の振動で、土砂がさらに流れる恐れがあるため、函館―札幌間などの特急20本や、森―長万部駅間などの普通列車13本が運休、約2700人に影響が出た。函館―八雲間はバスで代行輸送した。また、同社は同日、道内にある護岸壁を一斉点検した。

 また、同社によると、貨物列車の運転士が連絡した数分後に、札幌発函館行き特急スーパー北斗22号と、長万部発森行き普通列車が現場を通過していた。「安全運行に支障がなかったため」としている。

 同町内では、7月6日に特急列車の出火トラブル、8月9、17日に大雨や河川氾濫による線路下の砂利の流出や脱線事故が相次いで発生した。

提供 - 函館新聞社


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