函館視覚障害者図書館 読み書き支援 利用増
update 2013/10/21 10:13
函館視覚障害者図書館(森田直子館長)が視覚障害者向けの代読・代筆サービスを初めてから3年を迎えた。独力で読み書きするのが難しい視覚障害者や高齢者などへ文字の読み書きを支援する同サービスは、近年全国的に広がり、同図書館は先駆的な取り組みとして注目されている。
同図書館の代読・代筆サービスは国の補助金対象事業を受け、2011年からスタート。2年間の助成後も支援員を置き継続して続けている。利用者数は11年度233人、12年度271人。13年度も前年度を上回るペースという。
代読の対象は、税金などに関する自治体からの書類や、小説、新聞などが多いという。まれに電話で行うこともある。代筆は手紙や申請書などを利用する場合が多く、「点字を読める人は視覚障害者の中でも1割ほどで、事故や病気などの中途失明者がサービスを利用する場合が多い。日常の情報の80%は視覚によるものなので、役割は大きい」と森田館長。一方で、「高齢者が増加しているため、ホームヘルパーが代読・代筆できれば、情報伝達も早くなる」と今後のサービスの課題を指摘する。
大活字文化普及協会(東京)によると、図書館などの公共施設で対面朗読サービスを行い、その延長で代筆する場合もあるが、資料の制限などしばりがあるという。それに対して、「函館は持ち込み資料に制限がなく、NPO法人で運営しているところが特徴。支援員要請講習会を毎年開くなど、全国でも先進的な取り組みをしている」と同協会。
一方で、個人情報の扱いなどで苦慮する面も。同館は利用者と職員の信頼が厚いことからサービスの導入に踏み切れたといい、同協会の「読み書き(代読・代筆)情報支援員」養成講座では技能のほか守秘義務の徹底などを伝えている。最近は、高齢者施設や公的機関の窓口対応者が受講する場合もあり、同協会は「自治体単位でサービスを行う話も聞いている。代筆・代読のサービスの需要はますます高まってきている」と話している。
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