非常導水路設置へ 八雲脱線現場で大雨対策
update 2013/10/12 10:17
【八雲】八雲町熱田で8月、JR函館線の線路下の砂利が流出して貨物列車の脱線事故につながった問題で、函館開発建設部、JR北海道、八雲町は11日、事故当時に氾濫した熱田川に非常導水路を設置し、排水能力を上げる対策に着手することを明らかにした。近日中に測量を開始し、来年7月の完成を目指す。
熱田川は脱線現場近くで、国道5号と交差。国道下を通っている水路は幅1・9メートル。普段は穏やかだが、雨が強まると一転して暴れ川≠ノ変ぼうするのが特徴で、国道下の水路が排水量を超えると、水は行き場を失い、線路の方向に流れ出していた。
同開建によると、水路の排水量を非常導水路がカバーすることで、氾濫の危険度は薄れるという。水路の限界流量は、8月8日に同町八雲で1時間雨量が観測史上最大となった53ミリを基準に設定するという。
現場付近の熱田川の管理には、河川の八雲町、線路のJR、国道の函館開建と3者が関係している。2010年にも大雨で線路下が流される同様の事態もあったが、連携不足もあって、抜本的な対策が実現されてこなかった。
今回は9月上旬に同開建が対策案をJR側に提示。今月10日に3者で対策工事をすることで合意した。JR北海道鉄道事業部本部工務部の坂本孝司副部長は「念には念を重ねてきたため時間がかかってしまった。遅い対応に反省している」と陳謝した。
工事は3者で分担。函館開建が、非常導水路を設置するほか、国道下の水路部分に樹脂製のテープを張り、水を流れやすくするライニング工事を実施する。JRは線路下に通す排水路を、八雲町が川の下流工事を担当する。11月にもライニング工事に着手し、掘削などの作業を順次進めていく計画。函館開建の米津仁司次長は「連携を密にして、来年7月の完成を目指したい」と話している。
脱線事故後、現場付近の列車の走行速度は時速25キロに制限されているが、完成後は130キロの通常運行に戻す予定だ。
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