エゾシカ食害 桧山で増加 対策協議会 年明け立ち上げへ

update 2013/10/11 10:23


 桧山管内でエゾシカによる農作物被害が年々増えている。昨年度は初の100万円台に上り、今後も増加する見通し。被害の拡大防止に向けて、桧山振興局は、来年早々にエゾシカ対策協議会を立ち上げる方針を固めた。現在、道内でエゾシカ対策の組織がないのは桧山管内のみだった。

 エゾシカの食害は、十勝、釧根などの道東に多く、道内全体での昨年度の被害額は約63億円。このうち渡島、桧山、後志管内では計6800万円だった。

 道内全体では昨年14万3000頭が捕獲され、推定の生息数は59万頭。桧山管内の生息数は本格的な調査が行われていないため不明だが、桧山振興局には管内のハンターから「(目視などで)確実に増えている感触がある」と情報が寄せられている。

 桧山の農作物被害は大豆や小豆、水稲で多く、せたなや乙部、上ノ国の3町で増加が目立つ。同振興局によると、管内のエゾシカは明治期に食用で捕獲され、ほぼ絶滅したが、強い繁殖力や他地域からの流入などで増えたとみられる。

 同振興局環境生活課によると、エゾシカの平均寿命は12歳で、雌は2歳から毎年出産を繰り返し生涯で10頭前後を産むという。好条件では5年間で倍に増える計算。「被害が目立つ各地ではササなどを食べて、一帯の自然環境を破壊している場所もある。桧山はまだ深刻ではないが、早いうちに対策を取ることが必要」(同課)。

 桧山のシカは草木が茂る場所に生息し、夏場は探し出すのが困難で、猟銃などの捕獲は冬場に限定されることが多い。

 シカの個体増加により、農作物被害のほか、道路への飛び出しで通行車両への衝突など交通事故の危険性も高まる。

 同振興局は、桧山エゾシカ対策協議会設置を、例年2月ごろのヒグマ対策協議会に合わせて準備したい考え。同課の坂村武課長は「初期段階では、管内のエゾシカの現状を伝え、まずは越冬場所などの把握や情報共有を進めたい。問題が深刻化する前に手を打ちたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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