日本で地震学築いたミルン没後100年 豪の親族、函館で墓参

update 2013/10/9 10:01


 日本で地震学を築いた英国人ジョン・ミルンと、函館出身の妻トネ・ミルンが眠る函館市船見町の墓地を8日、ジョンの縁戚であるウイリアム・トワイクロスさん(61)と、妻のマーガレットさん(61)が訪れた。夫妻は「海を見渡すきれいな場所で(函館市民が)墓を守ってくれていることに、英国と日本の友情を感じた」と話した。

 ジョン・ミルンは1876(明治9)年、東大工学部の前身となる工学寮の教師として来日。世界で初めて地震学会をつくったことで知られる。81(同14)年に西本願寺函館別院住職・堀川乗経の娘トネと結婚した。今年はジョンの没後100年にあたり、ジョンのおいの孫で、オーストラリア・メルボルン在住の内科医ウイリアムさんが、妻とともに初来日した。

 夫妻は、元函館市助役の山那順一さん(78)らの案内で船見町の墓地を訪れ、ジョンとトネの墓、その隣にある堀川乗経の墓に献花し、手を合わせた。ウイリアムさんは「函館のセレモニーを行っていただき、うれしい」と語った。

 トネを描いた著作「女の海溝」がある函館出身で東京在住の森本貞子さん(88)も墓参に訪れた。ジョン没後、トネがジョンの遺髪と歯骨とともに英国から函館に戻り、1925(大正14)年に没後、二人が埋葬されたことを伝えた。

 一行は同日、函館市役所も訪れ、中林重雄副市長と懇談。ウイリアムさんは、自身が作ったジョン・ミルンの功績を伝えるドキュメントのDVDを副市長に贈った。ジョンとトネの写真アルバムや、ジョンの死去を伝える英紙デイリー・ミラーのポスターなどを紹介した。

 東日本大震災から1年半が経過し、ウイリアムさんは「亡くなった方々に心から哀悼の意をささげます。今後も日本地震学会の人たちが土地を守るため、研究に励んでもらいたい」と語った。

提供 - 函館新聞社


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