市、60年借り続け運営 八幡宮外苑野球場 一部民有地

update 2013/10/5 10:04


 函館市教委が管理している函館八幡宮外苑野球場(谷地頭町)が、開設から約60年間にわたって民有地を借り、運営を続けていることが分かった。所有者からはこれまでも土地の交換や買い上げ要請があったものの、市はいずれにも応じず、所有者と単年度契約を結んでいる。市は今後の扱いに関し、本年度中に方向性を示したい考え。

 同球場は約8300平方bのうち、約4200平方bが民有地。1954(昭和29)年に旧市民球場(青柳町)の代替施設として設けられ、当初は無償で借りていたが、58(同33)年から有償で借りており、所有者と1年更新の賃貸契約を結んでいる。昨年度の賃借料は約320万円。市教委は55年間で約7400万円を支払っている。

 85年には所有者が個人から札幌の企業に変更。これまでも元の持ち主から土地の交換や買い上げを要請されたほか、民間企業に変わってからも2006、08年に等価交換を求められていたが、市は財政難から購入を見送り、土地の交換も「市有地は狭小地や細長い土地がほとんど」(財務部)として、毎年単年度ごとの契約を結んでいる。

 管理運営が不安定なため施設の設置条例はなく、利用者にも無料で貸している。市教委は以前、利用者団体に廃止を打診したが、一定の利用があるとして現在も存続している。

 このほど開かれた市議会決算特別委員会で、井田範行氏(市民クラブ)がこの問題を指摘。市教委の政田郁夫生涯学習部長は「公共施設の管理形態とすれば有料化もできない契約でもあり、決して好ましい状況ではない」と述べた一方、市は今秋をめどに各公共施設についての方策をまとめることから、同部長は「単年度契約解消に向けて、年度内には一定の方向性を出したい」としている。

提供 - 函館新聞社


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