都市景観賞にレストラン「唐草館」、「神子島肇建築設計事務所」

update 2013/9/29 10:31


 景観に配慮した優れた建物などを表彰する第19回函館市都市景観賞が決定した。歴史的文化景観賞として、青柳町21のレストラン「唐草館」、坂道景観貢献賞として、元町23の「神子島(かごしま)肇建築設計事務所」の2件が選ばれた。10月11日に表彰式が市役所で行われ、所有者らに賞が贈られる。

 同賞は5年以内に新改築した建物をはじめ、屋外広告物や道路といった街並みを形成するさまざまな景観を対象とし、市民から候補を募集。今年は延べ172件の応募があり、基準を満たした24件の建物を対象に選考委員会(委員長・岡本誠公立はこだて未来大教授、委員7人)が8月に審査を行った。

 唐草館は1935(昭和10)年に建築。元は診療所として建てられた縦長窓などが特徴的な洋風建築で、2000年からレストランとして使用。今年、全面塗装と補修が行われ、淡い緑色の外観が際立つ。選考委は「丁寧に維持管理しながら利活用を続け、建物に対する愛着と熱意を感じる」「函館特有の外観意匠の再生、住宅街の上質なイメージをけん引している」などと評価。所有者は丹崎仁さん、施工者は高橋組(高盛町、高橋則行社長)。

 神子島肇建築設計事務所は二十間坂に面した建物で、元の建物は34(昭和9)年の建築。11年に改修が行われている。斜面に沿った段差の付いた白い塀などが周辺に調和している。選考委は「塗装により、坂道特有の段上に連なる町並みをさりげなく際立たせ、函館らしい落ち着きのある坂道景観の形成に大きく寄与」と評価した。所有者、施工者は不動産企画ウィル(柏木町、佐藤真一社長)、占有者、設計者は同事務所代表神子島肇さん。

提供 - 函館新聞社


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