実務重視 伝統受け継ぐ 函商定時制110周年記念式典
update 2013/9/20 09:55
函館商業高校定時制(難波繁之校長、61人)は今年、創立110周年を迎え、21日に同校で記念式典を開く。働きながら学ぶ場として実業界に多くの人材を輩出してきた伝統校には、100年を超える歴史の中で「再チャレンジする場」としての役割も加わり、新たな歴史を積み重ねている。
函商定時制は1903年(明治36年)、函館商業(当時)の学校長が同校内に私立函館商業補習学校を設立し、夜間補修教育を行ったのがはじまり。以来、一貫して実学を重視したカリキュラムを提供し、昨年度までに5000人を超える卒業生を送り出してきた。テーオー小笠原(函館)創業者の故・小笠原金悦氏をはじめ、各界で活躍する卒業生も多い。
「同じ境遇の友人が集まるから、気持ちを開いて将来の夢を語り合うことができた」―。そう語るのは110周年記念事業協賛会の若狭健次郎会長(69)だ。
在学中は苦しい経営状態にあった実家の雑貨卸店を手伝い、早朝から配達や営業の仕事をこなし、夕方から勉学に励んだ。「人よりも余計に頑張らなければ状況は良くならないと思った。ずいぶん働いたし、勉強もした」と振り返る。
現在、同校で学ぶのは10〜30代の61人。同校の岩出宏孝教頭は「社会に出て役立つ実務を重視し、学んだことを生かした進路選択ができるようカリキュラムを組んでいる」と話す。
110年の歴史はしっかりと在校生に受け継がれている。現生徒会長の4年、松倉みやびさん(18)は来春、社会へ羽ばたく。「簿記が大好き。借方と貸方の計算がぴったり合うところがパズルのようで楽しくてたまらない」と話し、簿記の知識を生かせる職種を視野に就職活動を開始。「110周年という記念すべき年に生徒会長ができて誇りに思う」とほほ笑んだ。
21日の記念式典は同校体育館で午後1時から。同3時からは神田山陽氏をゲストに記念講演会を開く。
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