函館市昨年度、連結決算43億の黒字

update 2013/9/18 10:00


 函館市の一般会計、特別会計と企業会計を合わせた2012年度の全会計連結決算は43億2260万円の黒字で、3年連続で黒字を確保した。一般会計は12億1180万円の黒字となったが、自治体の貯金に当たる基金を約13億円充当しており、実質的には8800万円の赤字となっている。

 市財務部によると、一般会計の歳入では、市税は固定資産の評価替えに伴う減価などで、前年度決算比で約5億円減少したが、地方交付税は普通交付税で約1億3000万円、特別交付税で約3億2000万円、それぞれ前年度決算を上回った。

 歳出は光熱費やコピー代など経常費の圧縮に加え、給与カットで約7億3000万円を削減。当初予算では財政調整基金と減債基金で20億円を取り崩すとしていたが、交付税の伸びや各種行財政改革の取り組みにより結果的な取り崩し額は13億円に圧縮した。

 自主財源の割合の高さを示す財政力指数(3カ年平均)は0・442と、前年度比で0・08ポイント悪化。市財政課は「税収の減少が影響した結果」と分析している。

 特別会計では自転車競走事業(市営競輪)と国民健康保険事業で累積赤字が残り、全体では1億8240万円の赤字。しかし、国保は単年度黒字を計上して累積額を2億3000万円に圧縮。介護保険事業でも料金改定などが影響し、前年度を1億7000万円上回った。企業会計は計34億160万円の黒字。病院事業は4億3320万円の単年度黒字を計上しており、09年度に約24億円(公立病院特例債を除く)あった累積赤字は2億5590万円に圧縮されている。

 自治体の財政状況は財政健全化法に基づき、@普通会計の実質赤字比率A前会計の連結実質赤字比率B実質交際費比率C借金の将来負担比率―の4指標を示すことが義務付けられている。12年度は@、Aとも黒字のため数値はなかったが、標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は前年度比0・4ポイント増の8・6%と悪化。借金の将来負担比率は79・0%で、前年度比17・4ポイント改善している。

 市財政課は今後の見通しについて「消費税増税が地方に与える影響や、交付税の特例措置の見直しが国で議論されていることを考慮すると厳しい状況で、楽観視はできない。行革をさらに進めていく必要がある」としている。

提供 - 函館新聞社


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