若松地区での旅客船埠頭整備 年内にも計画提示

update 2013/9/17 10:11


 函館市は、2015年度の着工を目指す若松地区での旅客船埠頭(ふとう)建設に関し、年内に事業主体となる国との協議をまとめ、新たな港湾計画を提示する考えだ。旅客船の大型化に対応し、岸壁の長さを現行計画から約90メートル延長し、水深を1メートル深い10メートルに変更する方針で、既存岸壁に影響がないよう、岸壁の角度も調整する考えだ。

 若松地区での岸壁整備構想は1991年から函館港港湾計画に盛り込まれ、2005年には青函連絡船摩周丸の係留場所東側に、沖に向かって延長310メートル、水深9メートルの岸壁を整備する方針を盛り込んだ。

 05年に改訂した現計画では若松埠頭は5万トン級の旅客船の接岸を想定していたが、本年度は港町埠頭に7万トン級の船が複数回寄港していることに加え、来年度も米国の大型船が定期寄港を計画するなど、年間約30隻が寄港を予定する。計画を変更することで全長330メートル、15万トン級の大型船の接岸が可能となる見通しだ。

 しかし、現計画のまま長さを延長すると、北側にある海岸町船だまりとの間が約50メートルに狭まるため、岸壁の角度を調整する必要が生じる。また水深を深くするため、しゅんせつ(=港の底面をさらって土砂などを取り去る工事)する土砂も増え、処分計画の策定も必要となる。

 この問題は開会中の市議会定例会で阿部善一氏(民主・市民ネット)が質問。平井等港湾空港部長は「既存岸壁への制限や廃止がないように、函館開発建設部と協議を進めている」と答弁。その上で「来年度中に国に要望を上げなければならず、年度内にはある程度の位置、規模、しゅんせつ量などを国と協議し、年内にはある程度報告できる」と述べた。

提供 - 函館新聞社


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