「メディカルスクール設置を」 医師ら市長に提言 4年制医師養成大学院

update 2013/9/7 10:11


 函館市が同志社大学(京都市)に対して働きかけている医学部設置構想に関し、地元医師らによる勉強会が、米国型の4年制医師養成大学院「メディカルスクール」の設置が望ましいとする報告書をまとめ、6日までに工藤寿樹市長に提出した。既存の6年制医学部と異なり、4年制大学の卒業生や社会人を対象に、既存病院と連携しながら臨床教育に力を入れることなどを提言している。

 国内ではメディカルスクールが認められていないため、今後の国の検討動向が焦点となる。改行 勉強会は市立函館病院と市医師会の医師4人で構成。南カリフォルニア大(米国)の岩城裕一教授をアドバイザーとして昨年12月から3回会議を開いた。

 報告書は北渡島や桧山地域の医師確保が課題としたうえで、「全人的医療者の養成が求められる中で、新たな医学教育システムが必要」と指摘。

 6年制医学部を新設した場合、「既存の医学部と競合する中で優秀な高卒者の確保が困難」とし、4年制大学の卒業生を対象とするメディカルスクール設置が望ましいと提言。市立函館病院など地域の医療機関と提携して臨床教育を行うことで、附属病院の建設コスト削減も図れるとした。

 メディカルスクールが国内で認められていないことに対しては、国が昨年まとめた「地域の医師確保対策」で検討を続けるとしたことや、首都圏の著名病院が導入を検討している点を踏まえ「十分可能性がある」と指摘した。ただ、スクール設置に必要な経費面には触れられていない。

 市は今後、同志社大に報告書の内容を伝えるほか、国の動向把握に努める方針。市企画部は「仮にメディカルスクールが認められれば、法改正や設置基準の見直しが行われる。動きを見過ごさないよう情報収集を行っていく。国で可能性が高まれば、次の行動を検討していかなくてはならない」(計画調整課)としている。

提供 - 函館新聞社


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