木質バイオ 目指せ普及、道南協議会を発足

update 2013/8/29 10:15


 道南の豊かな森林資源を生かし、木質バイオマスの利用促進を目指す民間の計画が動きだしている。第一弾として「道南木質バイオマス普及推進協議会」(山崎文雄代表)が発足、道南でのペレットストーブの普及活動を担う。エネルギーの地産地消が実現すれば、地域経済の活性化や雇用機会の拡大など、メリットは大きそうだ。

 NPO法人南北海道自然エネルギープロジェクト(ピーター・ハウレット代表理事)が設置した、木質バイオマス部会(ハウレット部会長)が呼び掛けて協議会を立ち上げた。北海道国際交流センター(山崎代表理事)、同NPO、NERC(ネルク、札幌)、佐々木総業(厚沢部)、NPO法人函館せいかつコミュニティ、北日本送電グループ(森)の6団体で構成。

 ペレットストーブは燃料に木質ペレットを使うため、二酸化炭素を増やさず、環境に優しい利点がある。同協議会によると、道南での利用状況はペレットストーブが20軒程度、ボイラーが1軒となっており、道内先進地と比較すると、大きな遅れを取っている。

 同協議会は7月に、林野庁の「木質バイオマスエネルギーを活用したモデル地域づくり推進事業」に応募したが、委託先に選定されなかった。提案内容では、函館市内に3年間でストーブ320軒、ボイラー17施設を導入。意欲を高めるためストーブ、ボイラー購入に対して半額を補助。また、市内にペレット生産工場を建設し、雇用拡大に結び付けるとした。

 同部会副部会長の高石勇光さん(56)は「国や道の動きを見極め、再度挑んでいきたい」と話す。

 ペレットストーブ設置は道南でも増えてきた。フレンチレストラン「ブランヴェール」(七飯町大川6、田中秀幸オーナーシェフ)は7月末、店内に大小2台を導入。来店者が環境問題を考えるきっかけとし「ペレットストーブが広まってほしい」と期待を込める。

 高石さんは「道南は林地残材や間伐材などが豊富なので、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量が同じ)を実現したい」とモデル地域づくりに意欲を示す。

提供 - 函館新聞社


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