ナマコ放流 適地は浅瀬?…函水試が追跡調査
update 2013/8/25 10:04
道総研函館水試(湯川町)が、2007年度から7カ年で取り組む奥尻町でのナマコ放流追跡調査が最終年度を迎えた。12年度までの研究では、水深によって稚ナマコの残留率に大きな違いが見られ、水深が浅い方が放流適地である可能性が高いという結果が得られた。
道のナマコ資源増大推進事業で、大量の種苗を作って1カ所に放流して漁獲に反映させる狙い。
ナマコの種苗は奥尻の東海域に、いずれも6月に08年10万匹、09年4万匹、10年25万匹を放流。天然稚ナマコの分布調査結果を基に、転石地帯で比較的静穏なところを放流場所に選んだ。3年9カ月後の密度や成長の推移を調べている。
同水試によると、調査地点(80b×80b)内の残留率は08年放流群で2・2%、09年放流群で17・5%。10年放流群は来年3月に調査する。残留率は水深により差が出るとみられ、08年は水深5b、09年は同3・5bだった。
赤池章一研究主幹は「09年の放流場所は西側に浅瀬、北側に岩礁があったため、ナマコが広く拡散していかなかった可能性がある。ただ、水深が浅い方がナマコの放流場所として良い環境なのかもしれない」という。
放流効果の検証に課題が残されているため、同水試では14年度以降も、DNA標識技術を用いたナマコの放流追跡調査を桧山管内で継続することを検討中。赤池さんは「人工と天然とを区別できれば、人工の放流効果をより正確に把握できる」と話している。
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