縄文遺跡群 世界遺産推薦見送り

update 2013/8/24 10:29


 【東京】文化審議会の世界文化遺産特別委員会は23日、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本県)をユネスコの世界文化遺産に推薦することを決定した。道南3遺跡を含めた「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の推薦は見送られ、目標に掲げている2015年度の世界遺産登録は不可能となった。

 委員会は非公開で行われ、「同縄文遺跡群」は「準備が整っていない」と判断された。ユネスコへは毎年1件ずつ推薦されている。

 同遺跡群は本道と青森、秋田、岩手の3県、関係自治体でつくる「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」(本部長・三村申吾青森県知事)が提案。全部で18の遺跡で構成され、道南からは大船遺跡、垣ノ島遺跡(以上函館市)、鷲ノ木遺跡(森町)が含まれている。

 09年1月のユネスコ世界遺産センターの「暫定リスト」に登載され、今年文化庁に「推薦書案」を提出した。

 ただ、4月の同審議会の特別委員会では、構成資産の選択などについて、さらなる検討を求めていて「(推薦は)かなり困難」との見解を示していた。

 推進本部の構想では本年度中の国の推薦を獲得し、14年度中にユネスコの諮問機関、国際記念物会議(イコモス)の現地調査、審査を経て15年度中の世界遺産登録を目指していた。

 三村知事は「これまでと同様に国内外の専門家の助言や文化庁の指導を受けながら早期にユネスコに推薦していだだけるよう全力で取り組む」、副本部長を務める高橋はるみ知事は「結果は残念。縄文遺跡群は世界遺産として高い価値を有する。道として関係市町、関係団体と連携し、早期の推薦を目指す」とそれぞれコメントを発表した。

 政府としてユネスコへの推薦は9月中旬に関係省庁連絡会議で正式に決定する。

提供 - 函館新聞社


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