終戦記念日 悲しみ繰り返さない

update 2013/8/16 10:16


 68回目の終戦記念日を迎えた15日、函館市や七飯町では戦没者を追悼し、平和への祈りをささげる式典が開かれ、遺族や参加者は恒久平和への思いを一層強くした。

 ○…トラピスチヌ修道院(上湯川町)では「世界平和のための祈りの集い」が開かれた。事前に申し込んだ一般参加者23人が約50人の修道女とともに深い祈りをささげた。

 聖堂では修道女が賛歌を歌った後、平和にまつわる詩編を唱和。共同祈願では「核兵器の完全な廃絶と戦争の放棄による、恒久の平和を実現することができますように」と祈った。最後に修道女が「平和の鐘」を鳴らし、列席者は黙とうした。

 参加するのは数回目という森町の中谷智美さんは「母方の親戚が戦死しているので、今回も平和を祈りました」と話していた。

 ○…本願寺派函館別院(東川町12)では函館ユネスコ協会(土谷二朗会長)主催の「平和の鐘を鳴らそう」が開かれた。

 2003年から開催し、今年で11回目となった。同別院のほか、高龍寺、称名寺など市内10カ所の寺院や教会でも実施。同別院では子どもからお年寄りまで幅広い年代の住民ら約50人が集まった。

 参加者一人一人が平和の思いを込めて鐘を突いた。初めて参加した五十嵐留太さん(82)は「鐘の音が身にしみた。平和は世界を見るとまだまだ遠いが、これからもしっかり願っていきたい」と語った。

 土谷会長は「鐘を鳴らすことで、少しでも平和について考えてくれればうれしい。参加者の中には多くの子どもたちもいた。平和への思いを次世代につないでほしい」と話していた。

 ○…七飯町では、七重小学校グラウンドの平和祈念之碑前で平和祈念祭が行われた。町民や関係者ら約100人が参列し、恒久平和を願った。

 式辞で中宮安一町長は「戦争の悲惨さや平和の尊さを、21世紀を担う若い世代にしっかりと語り継いでいき、戦争を憎み、平和を築く努力を惜しまぬよう歩み始めなければならない」と述べた。その後、平和への思いを込め、大空に向けてハトが一斉に放たれた。

 また、9日に長崎市で開かれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」に町平和大使として参加した中学生6人が「核兵器の恐ろしさを世界に伝え、犠牲者の痛ましさを伝え続けます。私たちは恒久平和を誓います」と宣言した。

 大中山中1年の原口若奈さん(12)は「世界が平和になるように、原爆や戦争のない世界を訴えていきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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