函館アリーナ 入札不調

update 2013/8/7 10:16


 函館市が6日に予定していた函館アリーナ新築主体工事の入札が不調に終わり、市は入札を延期すると発表した。参加を申請していた共同企業体(JV)1組が、精査が間に合わないとして入札辞退を申し出たためで、現段階で新たな入札期日は決まっていない。全国的な公共工事の増加に伴う、資材や労務単価の上昇が影響しているとみられる。

 アリーナ新築工事の予定価格は42億8600万円(税込み)。市は一定の実績と市内に支店を持つAランク1社と、市内に本社か支店を持つAランク4社、Bランク2社の計7社でJVを組むことを参加条件としていた。

 市や関係者によると、新築工事の入札にはスーパーゼネコンを筆頭とするJVが参加を申請していたが、5日午後に「設計内容と見積もりの精査に時間を要しており、入札までに予定価格範囲内の見積もりを確定させることが困難」として辞退。これに伴い、同日予定していた空調や衛生、自家用発電などの7件の関連工事の入札も延期した。

 アリーナは鉄筋一部鉄骨造3階建てで、延べ床面積1万5693平方b。総事業費は当初63億円を見込んだが、労務単価上昇などに加え、実験段階で柱などに強度不足が見つかったことも踏まえ、市教委は最新単価に基づいて事業費を増額していた。

 市は9月の第3回定例市議会に請負契約締結の議案を提出する予定だったが、再入札実施の日程は未定。市都市建設部は「9月の議決を目指す考えに変わりはなく、工期に影響がないよう検討している」とする。

 ただ、再公告から再入札実施には3週間が必要で、週明けから各企業がお盆休みに入ることを考慮すれば、8月中の入札実施は厳しい状況だ。市財務部は「新築工事の対応が確定した時点で、設備工事も含めて改めて公告する」(調度課)としている。

 ●建設業者「資材高騰が大きい」「技術者不足は深刻」

 資材の高騰や人手不足から、東日本大震災の復旧工事で相次いでいる入札不調が、函館の大型公共工事でも起きた。市内のある建設会社の関係者は「今はどの建設業者も資材のやり繰りに苦慮している。資材高騰の影響が大きいのでは」と指摘。さらに「業界自体も仕事がいっぱいで、手が回らないのが実情。技術者不足は深刻で、2年間アリーナにかかりきりになるのは(採算面で)合わなかったのでは」と話す。

 また、別の建設会社幹部は「東日本大震災の関係で単価が上昇している点も影響しているし、入札には複数のJVが必要。申請しやすい環境を市が作れるかが問題」と指摘する。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです