食堂「急行」 一旦閉店、来月中旬に移転開業
update 2013/7/31 10:19
【木古内】JR木古内駅前に長年店を構え、名物「やきそば」が愛されてきた食堂「駅前飯店急行」が8月中旬から、店舗を移し営業を継続する。北海道新幹線開業に伴う駅前整備による移転で、一時は閉店も考えたという店主の垣内キミさん(85)は、「『やめないで』という多く声がうれしかった。体力が続く限り店を守りたい」と話している。
同店は1956(昭和31)年に開店。夫の幸四郎さん(故人)とともに名代やきそばを考案した。店名には「急行列車が止まるように」という当時の願いが込められている。
道内外を問わずリピーターが多い同店の「やきそば」は並700円、大1000円。太麺に豚肉、野菜やカマボコなど具材がたっぷり、大きな中華鍋で垣内さんが仕上げる。しょうゆと強めのコショウがクセになるおいしさと評判だ。中にはタッパーに焼きそばを詰めた弁当を持ち帰る客も多いという。
91年に幸四郎さんが亡くなると、1人で店を切り盛りしてきた。体調を崩し4年ほど前からはメニューをやきそば一本に絞った。それでも道内はもとより遠くは九州から客が訪れ続けている。現在はアルバイトの宮西市雄さんも調理を手伝う。
「昨年までは閉店しようと思っていた。けれど閉店を惜しんでくれる人たちの存在が活力になった」と垣内さん。同店で最後のやきそばを味わおうとひっきりなしに客が訪れ、予約の電話も殺到しているという。31日で同所での営業を終え、現在の場所から200メートルほど離れた木古内署向かいの新店舗での開業準備に入るという。東京に住む娘の夫が後継者になる予定といい、「体と相談しながらお客さんの期待に応えていきたい」とほほ笑む。
営業時間は午前11時から午後7時半(不定休)、問い合わせは同店(TEL01392・2・2055)へ。
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