昨年度の函館児童相談所、虐待121件で過去最多

update 2013/7/24 10:40


 昨年度、渡島・桧山管内から函館児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談のうち、虐待と認定して処理した事例が過去最多の121件に上ったことが分かった。前年度比21件増で、DV(配偶者などからの暴力)を子どもに見せつけるなどの心理的虐待が70件と半数以上を占めた。全体の相談件数は11年度と同じ197件だった。

 23日に函館市総合保健センターで開かれた「市要保護児童対策地域協議会」(岡崎圭子会長)の代表者会議の中で報告された。改行 同相談所によると、心理的虐待はDVの目撃がほとんど。18件の身体的虐待は「殴る」「蹴る」などで、あざがつくケースが目立った。食事を満足に与えないといったネグレクト(育児放棄)は33件確認された。

 このほか10年度4件、11年度2件あった性的虐待は3年ぶりにゼロ。ただ同相談所は「性的虐待は表に出にくいため、潜在的にはあるのでは」と話す。

 虐待者は実母が54人と最多で、実父は43人。被虐待児は小学生が42人と最も多く、次に3歳から就学前の30人で、3歳未満は21人だった。虐待が深刻なため親から分離させるために児童施設に入所させたのは同3件増の8件だった。

 虐待の通報主は「警察など」が35件と最も多く、近隣・知人は14件、被虐待児からは0件だった。

 一方、市や警察など35機関で構成する同協議会が取り扱った12年度の児童虐待件数は、同5件減の132件。同相談所が扱った事例とは別で、同相談所へ対応を送致した深刻なケースは3年ぶりになかった。

 同相談所は「少子化の中、虐待が増えているのは重大な問題。家庭や経済環境などさまざまな要因が絡んで起きているので、多くの関係機関と協力しながら対応したい」と話した。

提供 - 函館新聞社


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