北海道南西沖地震から20年、奥尻で追悼式

update 2013/7/13 10:09


 【奥尻】1993年の北海道南西沖地震から12日で20年を迎えた。死者・行方不明者198人と最大の被害があった奥尻島では、奥尻町主催の20周年追悼式が行われ、島全体が終日、静かな祈りに包まれた。

 追悼式は青苗中学校体育館で行われ、町内外から430人が参列。2500本の菊の花で飾られた祭壇を前に、奥尻出身の詩人麻生直子さんが詩を朗読、町内の児童約100人が合唱で鎮魂の思いを込めた。

 津波で長男(3)と長女(8カ月)、義理の母を亡くした、町臨時職員の松田由紀子さん(44)が遺族代表で追悼の言葉を読み上げた。あの夜を振り返り、「これからあなたたちの弟、妹、また島の子どもたちがこの奥尻島を守るため、島の未来をつくってくれるものだと思います。それが私や奥尻島に住んでいる人たちの希望だと思います」と語ると、会場からすすり泣きの声が漏れた。

 新村卓実町長は「あの日の命の犠牲を無にしないためにも、震災から得た貴重な体験と教訓を後世に伝え、津波防災の意識高揚につながる活動をしていく」と決意を述べた。

 高橋はるみ知事も「自然災害の恐ろしさや備えの大切さを改めて見つめ直し、教訓を次の世代へと語り継いでいかなければならない」と述べた。

 参列者は慰霊奏曲が流れる中、祭壇に花を添え、手を合わせた。青苗岬では手づくりキャンドルがともされ、犠牲者の冥福を祈った。町内の小学校では避難訓練も行われ、防災意識を改めた。

提供 - 函館新聞社


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