6月道南 スルメイカ漁前年比16%減

update 2013/7/4 10:05


 道南スルメイカ漁は、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での6月取扱量が前年を16%(39トン)下回る201トンとなった。まずまずのスタートを切ったが、長引く燃油の高止まりにより、厳しい経営を強いられている。

 市農林水産部によると、6月の取扱量は下旬に伸び悩んだ影響で、2008年以降では11年に次いで2番目に少なかった。極度に不振だった11年の125トンを除くと、ほぼ例年並みの水準。1キロ当たり平均卸売価格は08年以降最も高い445円。

 函館市漁協(橘忠克組合長)は「6月下旬はしけで出漁できない日があり、月の満ち欠けの影響も受けてイカが捕れなかった」という。

 市漁協によると、今月1日からのA重油価格は1リットル当たり89・5円(税別)と前月より1円下がったが、前年より9・5円高い。佐藤豊次さん(63)は「漁場はまだ松前沖で、1円下がったぐらいでは状況は変わらない。燃油代がかかって大変」と漏らす。

 市漁協は「前浜で操業できれば、燃油代の負担も軽減される。GLAYライブなど7月はイベントが多く観光客も来るので、イカが捕れてほしい」と願う。

 道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「松前沖にはまだイカがいると思うが、水温が上がってきているので、群れの通過に伴って8月以降は漁獲が減少するだろう」と指摘。「太平洋側の北上群は現在、少し見えてきてはいるが、魚体が小さい。漁獲本格化の時期についてははっきりしたことが言えないが、昨年のように来遊が遅れる可能性があるので注意が必要」と話している。

提供 - 函館新聞社


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