函館産地酒づくり着手、来年発売へ
update 2013/7/3 10:20
2016年3月予定の北海道新幹線開業を見据え、函館の一般財団法人・北海道食品開発流通地興(谷沢広代表理事)が函館産の地酒づくりに乗り出した。酒造メーカーや卸問屋、生産者、高等教育機関などとスクラムを組み、地元産の酒米「吟風(ぎんぷう)」を使った日本酒を来年から市内で売り出す計画。関係者は「函館の新たな特産品にしていこう」と夢を膨らませている。
吟風の生産は、市が2010年に市内亀尾地区の休耕田対策としてNPO法人に事業を委託し、試験栽培を行ったのが始まり。吟風を使った地酒づくりを模索する中、企業同士のマッチングのノウハウを持つ同法人が手を挙げ、清酒「白雪」などを手掛ける小西酒造(兵庫県伊丹市)が醸造元となり、市内の酒類卸イチマスが販売することで基本合意した。
同地区の水田約8500平方bで吟風を栽培し、今秋には5dを収穫する見通し。小西酒造が自社酵母で醸造し、年明けから純米吟醸酒1万本を販売する計画だ。
同社はまた、函館高専の小林淳哉教授が研究を重ねてきた、菜の花を原料とした酵母を使って200g醸造し、テスト販売を行う考え。米・酵母とも函館産の日本酒を生み出そうと力を注ぐ。
田植えは6月上旬に行い、このほど関係者が顔合わせ。生産者の橋田孝一さん(65)寺本功さん(69)らとともに水田を視察した。谷沢代表は「観光都市として、夜の会食などの場に地酒が必要。函館にあった酒を皆の力でつくり、海外でも販売していきたい」と意気込む。
事業に参加する各企業の期待も膨らむ。小西酒造の庄司明生営業本部長は「北海道米を100%使うのは初めて。函館でオリジナルの酒をつくる夢がかない、最高の技術で商品化したい」、イチマスの稲船正光専務は「地元の味が詰まった酒を販売できるのがうれしい。自信を持って拡販したい」と話す。
また、テスト醸造にこぎつけた小林教授は「長年の夢が一気に進んだ。試験段階だが、連携しながら地酒としての彩りを添えていきたい」と話している。
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