「函館独自の避難路考えて」、福島県浪江町長が工藤市長らに説明
update 2013/7/3 10:19
【二本松】大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟準備に伴い、福島県を訪問している函館市の工藤寿樹市長らは2日、福島第一原発事故で全町民が避難を強いられている同県浪江町の事務所(二本松市)を訪問した。同町の馬場有(たもつ)町長は原発事故に備え、「市独自で万が一の時の避難経路や移送手段を考えておく必要がある」と勧めた。
1日の同県南相馬市に続く、福島第一原発周辺自治体の訪問。
同町は現在、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に3分割されて立ち入りが制限されており、同5月31日現在で福島市に3660人、二本松市に2500人など、全町民が避難している。
馬場町長は原発事故からの避難に伴って役場機能を計4回移設し、南相馬と同様に国や県、東京電力から一切連絡がなかったと説明。「原発の安全神話に漬かっていたことを反省しなくてはならない」と述べるとともに、除染が進んでいないことや町内の小中学生が全国699校に分散した現状などを説明した。
また、同席した小黒敬三町議会議長は立地自治体との情報などの格差を指摘する一方で、「全員が避難し、曲がりなりにも行政が動いている時と動いていない時の両方の対応を考えた方がいい」と述べた。
工藤市長は会談終了後の会見で「立地自治体だけでなく、周辺自治体も壊滅的な状況になることが確認できた。(函館の)28万の人口を分散させることはできず、建設工事を認めるわけにいかない」と強調。仮に提訴した場合、福島原発周辺自治体の首長に証言してもらいたいとの意向を示し、「場を与えていただければ、裁く方にとっても実感のわく判決を出していただけるのではないかと期待する」と述べた。
また、馬場町長は函館市の訴訟に対し「既定路線を曲げられない現状に風穴を開けていかなくては」と、支持する考えを示した。
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