かもめ島や夕日楽しんで 江差に遊覧船

update 2013/6/18 10:10


 【江差】江差港マリーナを発着点とする民間の遊覧船が20日開業する。沖合からの夕日やかもめ島など、江差ならではの眺望のほか、船内では風情ある江差追分の演出も。江差では初めての取り組みで、夏観光の目玉となりそうだ。

 森町を拠点に噴火湾と江差で遊漁船を運航してきた、阿部健史さん(62)が、江差に住まいを構え、遊覧船事業を展開する。

 阿部さんはこれまで25年間、江差に通い「古くは北前船で栄えた地域。姥神大神宮渡御祭や江差追分などその伝統を守り続ける姿や、人々の熱意にほれ込んだ」と妻の舞子さん(63)と移住を決意。6月1日付で、遊覧船事業にかかる国からの許可を受け、試験運航に余念がない。

 船は25フィート(全長約7メートル)で船長の阿部さんを含め、定員は7人(小学生以下は2人で1人分)。沖合1・5キロの約20分コースで、開陽丸や北前船などの歴史を勉強し「沖合から江差の街並みを眺め、命がけでこの地にたどりつき、力強く生きた先人の思いに触れてほしい。そして最高の景色の中で互いに心通わせて会話を楽しみたい」と阿部さん。

 江差追分への思い入れも深い。「いいことよりもつらい苦しいことが多い人生を唄うこの歌詞が好き。自分の人生と重なり、心に響く」と語り、「念願の夢がかなう。人生の新たな出発と思ってこの地域のためにも微力だが頑張りたい」と意気込んでいる。

 運航時間は午後2時から日没まで。大人1200円、小中・高生600円。2人から。悪天候時中止、今季は9月22日の江差追分全国大会までの予定。

 予約は阿部さん(TEL090・3779・4875)か、マリーナ隣接の「えさし海の駅」(TEL0139・52・5522)へ。

提供 - 函館新聞社


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