緊急対策に漁業者不満…燃油1g95円超で国が4分の3拠出
update 2013/6/8 10:05
円安に伴う燃油高問題で、水産庁が決めた漁業経営セーフティーネット構築事業を拡充する緊急対策について、スルメイカ漁が始まった函館の漁業者が不満を募らせている。A重油価格が1g当たり95円を超えると、国と漁業者が3対1の割合で負担して補てんする仕組みだが、同80円を発動基準とする現行制度から国の負担割合を引き上げることを求めていたからだ。
現行は、国と漁業者が1対1で基金を積み立て、80円を超えると補てん金を支払う。緊急対策では95円超で発動、国が4分の3を拠出する。80円から95円までの間は、国の負担割合は半分のまま。7月から、2014年度末まで行う。
「この対策ではいいとは思えない。現行制度から国の負担割合を引き上げてほしかった」。市漁協の高谷広行専務は落胆する。所属のイカ釣り漁船23隻のうち、現行制度への加入は11隻。高谷専務は「95円に値上がりするのを見越したかのような設定。95円になれば、休漁に追い込まれる」と話す。
漁業者の田原正明さん(53)は「松前沖での1回の漁で燃油代は6〜7万円。現在は魚体が小さいので価格も下がってきており、採算を取るのは厳しい」。「対策はありがたいが、さらに手厚い支援を」と願う。
市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場(豊川町)での生鮮スルメイカ取扱量は49・4d(3〜7日)と昨年同期の32・5d(2〜7日)を上回る。いけすイカ卸値は初競りの1`当たり1800〜920円に対し、7日は同560〜400円となった。
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