工藤市長、6月30日から福島県視察 原発周辺自治体の影響把握
update 2013/5/31 10:14
函館市の工藤寿樹市長は30日の定例会見で、準備を進めている大間原子力発電所(青森県大間町)建設差し止め訴訟に関し、6月30日から福島県南相馬市と浪江町を視察すると発表した。福島第一原発から30`圏内の周辺自治体が受けた影響を把握し、訴状の根拠の裏付けとする狙い。併せて同市長は、仮に訴訟を起こした際に自ら法廷に立つ考えがあることを明らかにした。
市が契約している差し止め訴訟の弁護団は今年2、3月、訴状作成に際して両市町を視察。同市長は今月8日の弁護団との会談で、福島を視察する意向を表明していた。
市総務部によると、6月30日に福島県に入り、7月1日に南相馬市の市役所や、同市南部の小高(おだか)区を視察。小高区は一時帰宅が可能だが、宿泊が認められていない避難指示解除準備区域に該当しており「被害の実態が見やすい」(同部)という。翌2日には同県二本松市にある、浪江町の仮役場を訪問する。
同市長は視察の主旨として「今まで無関係とされてきた周辺自治体がどういう影響を受けたのか、実態を自分で把握する必要がある」と説明。両市町の首長と面会する意向を示したほか、市議会にも同行を投げかけているとした。
さらに、住民が避難した際の状況を知り、大間で事故が起きた際に函館・道南での避難が困難なことを立証したい考え。同市長は「事故が起きたら札幌方面に逃げるしかなく、大沼トンネルに車が殺到し、渋滞で全く動かない状態になるのでは」と指摘、「原発稼働にあたって避難路を考えるのはおかしい」と、国や事業者の姿勢を改めて批判した。
また、市長は提訴した際の口頭弁論への出廷に関し、弁護団との相談が必要とした上で「自分の言葉で話す意味でも現実を見ておく必要がある。直接的に私の考えを述べたい」と意欲を示した。
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