燃油高のまま本番へ スルメイカ漁1日解禁

update 2013/5/29 10:16


 スルメイカ漁の6月解禁に向け、函館の漁業者が円安に伴う燃油高に苦しんでいる。A重油の価格は1リットル当たり90円台に跳ね上がったままで、さらに上昇する懸念も。漁のはしりは漁場が遠いため、一定の水揚げを確保できないと漁に出るだけで赤字に。序盤の不漁予測もあり、先行き不透明感の下での漁開始となる。

 イカ釣り漁業者は28日、船の集魚灯を試験点灯するなど出漁準備を進めた。

 「初日は赤字覚悟で漁に出るしかない。燃油の値上がり分を補うほどイカが捕れてくれれば」。山本光夫さん(64)は祈るように話す。松前沖での1回の漁に使う燃油は700〜800リットル。イカが大漁でもそうでなくても燃油代だけで必然的に7、8万円かかる。他の経費もあり「最低でも10万円分の漁獲がないと厳しい」という。

 小田貴広さん(46)は「燃油代がこれほど高いと利益が減って困る」と話す。かつては同50円を切る時代もあり、「せめて同60〜70円になってくれればありがたい。燃油代のほかにも船の修理代など経費がかさむので、捕れないと廃業も考えないと…」と漏らす。

 田原正明さん(53)は「青森県小泊港での初水揚げが大漁だったので、小さいイカでも北上してきているのかなと期待。ただ、函館から出漁するころには、さらに燃油代が上がるのでは」。それでも「頑張って漁に出る。こういうときこそ国がしっかりと支援してほしい」と注文する。

提供 - 函館新聞社


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