岩手から伝わった100年前の神楽 来月15日に公演

update 2013/5/21 10:16


【厚沢部】100年ほど前に岩手県から道内に伝わった神楽の特別公演が6月15日午後3時から、町民交流センター(新町181)で行われる。岩手から約30人が来町する予定で、関係者は「神楽を縁に1世紀を越えて双方で育んできた交流をさらに深めたい」としている。

 特別公演は、昨年11月、厚沢部町の故佐藤春蔵さんが保存していた東北から伝わった神楽道具の一式が、北海道開拓記念館(札幌市)に寄贈されたのを岩手の関係者が耳にしたことがきっかけ。1999年に厚沢部の関係者が岩手を訪れ、神楽で交流を深めたこともあり「今度は厚沢部で歓迎しよう」と企画した。

 町教委によると、この神楽は遅くとも15世紀末に始まったとされる、岩手県花巻市大迫町の国の重要無形民俗文化財「早池峰(はやちね)神楽」の流れをくむ。1906(明治39)年ごろに同町合石(あわせいし)集落から道内へ渡った先人が、ニセコ町を拠点に1914(大正3)年ごろから神楽を奉納。春蔵さんの曾祖父佐藤久八さん一家が厚沢部に入り、寄贈した道具一式は親族によって丁重に扱われてきた。

 14日夜には佐藤家親族らが公演に向けて実行委(佐藤新一委員長)を発足。99年に岩手を訪れた町内の佐藤三治さん(89)、やすさん(87)夫妻は「温かな歓迎で一番いい席を用意して神楽を見せてもらったのを覚えている。岩手の人に会えるのが楽しみで心ばかりだがお礼を伝えたい」と話している。

 公演の問い合わせは町教委(TEL0139・64・3318)へ。

提供 - 函館新聞社


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