道南でも円安で明暗

update 2013/5/17 09:43


 急激な円安による影響が、じわりと道南でも出ている。海外から函館への観光客は増えていて、ホテルや飲食店はにぎわっている。一方で食料品などの輸入品に値上げの動きがあり、市民生活への不安が広がる。加工原料の多くを輸入に頼る水産加工業からも「もう限界」との声が漏れている。

 1ドル102円台に下落し、進行に歯止めが掛からない円安。株価上昇と合わせて景気回復への期待が高まる一方、多方面に影響が広がる。

 函館市本通1のパン店「よつ葉のレシピ」(広沢実代表)は、バターや小麦粉などパンの原材料の仕入れ値の高騰を懸念。販売価格への転嫁もあり得るためで、広沢代表は「すぐに値上げはしないが、いずれは考えなければならないかも」と話す。

 道南の水産加工会社では、加工原料に使うイカなどの輸入価格が約6割も上昇。「小売り価格の値上げを検討しているが、簡単にはできない。今は限界に近い状態だ」と漏らす。

 食用油や小麦粉など食料品の値上がりも相次ぐ。家族4人で暮らす函館市の主婦森祥子さん(47)は「毎日のことなので食品の値上げは痛い。光熱費を減らす努力をするしかないが、できることは限られている」と嘆く。

 一方、海外から日本への旅行は割安になり、外国人観光客増加で恩恵を受けるホテルや飲食店などの声は明るい。

 函館ビヤホール(末広町、後藤敏一総支配人)では、今月6日から1週間でアジア系の団体客300人が入った。30〜50人で推移する例年の同時期の10倍に上るといい、後藤総支配人は「円安が後押ししている。6月も既に90人の予約が入っている」と上機嫌だ。

 函館国際ホテル(大手町、柴田陽子社長)ではマレーシア、シンガポールなどからの予約問い合わせが続いているという。「6、7月の予約も前年同期に比べ増えていて、団体客が多い。円安を追い風に、観光客増が期待できる」と話している。

提供 - 函館新聞社


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