松前・専念寺に啄木の歌碑建立
update 2013/4/29 10:32
【松前】町唐津の真宗大谷派専念寺(福島憲成住職)境内に、歌人石川啄木(1886―1912年)の歌碑が建立された。歌は1910(明治43)年の日韓併合を憂い詠んだとされ、碑を建てた七飯町の浅利政俊さん(82)は「啄木の精神を次の世代に引き継ぎ平和を享受したい。歌碑がそのきっかけになれば」と願いを込める。
「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く」―。歌碑に刻まれた短歌は日韓併合の年に刊行された「創作」10月号に掲載された。教員の傍ら啄木の研究も進めてきた浅利さんは、「統制が厳しい時代に批判するのはたやすいことではない。民族は違えど同じ人間として敬う真心を感じた」とする。
太平洋戦争中には、町内に朝鮮半島や中国大陸から1000人以上の労働者が連行され、軍事産業路線として整備が進められた旧国鉄松前線敷設工事作業に従事していた。歌碑が建立された専念寺には、その強制労働で命を落とした人たちの慰霊碑がある。1985年からは毎年5月に慰霊法要も行われ、同寺によると、保管する過去帳には殉職者11人の名が記されているという。
歌碑は七飯町の横津岳山麓から出る安山岩の七飯石を採用。同寺の山門をくぐるとすぐに見える場所に設置され、高さ約1b、横1・3bほど。福島住職は「当時を知る人たちが亡くなった今でも多くの参拝者が訪れる。世代を超えて多くの人の目に触れてもらえれば」と話す。
歌碑の除幕式が5月3日午前11時から、慰霊法要が同正午から行われる。
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。