縄文遺跡群 根拠明確化へ
update 2013/4/25 10:04
【青森】2015年度の世界遺産登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の第1回登録推進会議は24日、青森市内のホテルで開かれた。19日に文化庁が国連教育科学文化機関(ユネスコ)への本年度推薦を「かなり困難」と示したことについて、岡田康博座長(青森県教委)は「決定ではない。15年度登録を目指して本年度中に推薦されるよう引き続き取り組みを進めたい」と述べた。
文化庁は縄文遺跡群について、範囲を北海道・北東北に限る根拠を詳しく説明する必要があると指摘。また、18資産とする理由や遺跡群全体の保存管理計画なども「検討が必要」とし、推薦は困難と評価した。このため15年度登録が難しい状況となっている。
岡田座長は「方向性は変えない。指摘事項はこれまでも協議してきたことで、新しい課題だとは全く思っていない」と強調。ただ「あらためて示されたということについては、受け止めたい」と話した。
事務局の青森県教委は今後、6月をめどとする文化庁への推薦書原案の提出に向け、範囲を北海道・北東北とする根拠の明確化を最優先に検討を進める。現在は「縄文時代の特徴的な遺構・遺物が多く、多様性がみられる地域」などを理由としている。
このほか18資産とする理由の整理や、国内にある構成資産以外の遺跡との比較もしていく。
5月10日の専門家委員会で意見交換し、5月中旬ごろに文化庁と指摘事項について協議する。
保存管理計画は18遺跡中14が策定中で、原案作成までに全遺跡の策定を終える予定。文化庁が本年度の推薦を唯一「可能」とした「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)は、保存管理計画がすでに完成している。
会議に出席した函館市の阿部千春委員は「推薦書の完成度を高めるために、市内にある大船と垣ノ島遺跡の内容を精査し、事務局に提出したい」と述べた。
推薦候補は7〜8月の文化審議会で決定する。
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