道教大再編、急な方針転換に戸惑い
update 2013/4/13 10:14
道教育大の新学部設置計画をめぐり、大学本部が示した教育学部存続を軸とする改革案について、函館校は同案を受け入れず、1年延期する方針を決めた。同校の案と大学本部の案をすり合わせ、15年度の改組を目指す。教員養成機能の存続を否定したものではないが、機能を維持した上で新学部構想が実現するか、懸念する声もある。
同大は当初、函館校に国際地域創造学部(仮称)を創設し、今年4月に新学部に移行する予定だった。しかし、12年に文部科学省が発表した「大学改革プラン」を受け14年4月に延期すると同時に、同校の小学校教員養成機能廃止問題が浮上。地元では附属学校の維持も含めた存続運動が繰り広げられた。
本間謙二学長は方針を転換して教員養成機能を存続させる意向を固め、3月末に新5コースの設置を関係者に提案。1学年の定員を現在の330人から280人に減らし、現在60人の教員養成機能を40人に削減して地域教育コース(仮称)に残し、14年4月から再編する方針を示した。
しかし、急に決まった方針転換に、函館校の教員内には戸惑いや反発があった。同校は改革案の実行へ向けた人員配置、教育課程の概要などの全書類を5月末までに文部科学省へ提出することを迫られたからだ。
「性急すぎて体制構築が間に合わない」「それでも前に進むべきだ」―。学内では時間的にも物理的にも14年度改組は不可能とする意見と、早急に体制を固めて改革案の実現を目指すべきだとの意見に分かれ、11日に行われた教授会は紛糾した。結果として、改組はさらに1年間先送りし、15年4月の実施を目指す方針を決めた。
再編は時間をかけて進めるべきだ、との判断を下した函館校だが、一方で、14年度に間に合わなければ教員養成機能が無くなり、振り出しに戻る可能性が指摘されている。関係者からは「教員養成機能を残すのはありがたいが、機能を有するコースの人員が適正か」「示された案があいまい。学内のゴタゴタで新入生の呼び込みやPRに支障が出る」などの声も。
同校としては、大学本部と函館校の意見を調整し、じっくりと構想を固めていきたい考えだが、文科省を巻き込んで方針が二転三転した経緯から、これ以上の先送りはできないとする見方もある。
また、14年度に5キャンパス全体の再編が検討され、同校だけでなく他校でも大学本部の案に賛成できない意見があり、「各校と連携を取りながら進めていけたら」と同校関係者。今後は同大5キャンパス全体の会議が開かれ、新学部の定員などは6月以降に公表される見通し。
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