「日魯倶楽部」開設 パネルなど展示

update 2013/4/12 10:03


 旧ニチロ(現マルハニチロホールディングス)OBで構成されるニチロ会(加藤清郎会長、会員約50人)は、日魯漁業創業者、平塚常次郎氏らのゆかりの品や日魯創業100年の軌跡を紹介するパネルなどを展示する「日魯倶楽部」を18日から、ニチロビル(函館市大手町5)214号室で開く。中には「野球の神様」と言われ、アメリカの国民的ヒーロー、ベーブ・ルース(1895〜1948年)らが1934(昭和9)年に函館で開かれた日米野球大会で書いたサインボールもある。

 ニチロ会は68年、元日魯常務の近江政太郎氏を初代会長として発足。2年前からニチロビルの同室で定期的に会員が集まり懇談し、社内報や写真などに目を通していた。持ち寄った資料が多くなったことで保存室として管理し、一般の人にも見てもらおうと日魯倶楽部を企画した。

 さらに資料を探していた加藤会長(78)が昨年1月に東京で、平塚氏ともう一人の創業者堤清六氏とゆかりある人たちと懇談。函館で開かれた日米野球に関する品を探していると話したところ、この試合で始球式をした当時の函館市議会議長(後の第7代函館市長)登坂良作氏(堤清六の妹と結婚)の子で、東京在往の幸作さん(80)から4月に「始球式のボールが見つかった」と連絡が入った。ボールは箱に入れられ、保存されていたという。

 ボールにはベーブ・ルースや日本選抜主将で、函館太洋倶楽部でプレーした久慈次郎のサインがあり、函館で試合があったことや始球式で使われた内容が読み取れる。加藤会長は「幸作さんは函館で多くの見てもらうことがふさわしいと話していた。寄託されたボールなので大切に扱いたい」と話す。

 室内にはこのほか、日魯創業100年(1906〜2005年)の年表、軌跡を紹介する28枚のパネル、平塚氏が1922(大正11)年に妻芳子さんと北米、ヨーロッパなどを視察した時のパスポート、堤一族が愛用したゴルフクラブなどが展示されている。

 加藤会長は「函館とともに栄えたニチロの資料などを見てもらうことで、後世に伝えたい」と話している。一般への公開は当面の間、18日から毎週木曜日の午前10時から午後3時までで、入室は無料。問い合わせはニチロ会事務局の住田さん(рO90・8898・8823)へ。

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 昭和9年の日米野球…昭和6年に続いて開かれた米大リーグ選抜と日本選抜の試合。大リーグ選抜にはルー・ゲーリッグも含まれ、日本選抜は久慈捕手が主将を務め、沢村栄治投手やスタルヒン投手のボールを受けた。東京、富山、静岡など全国12都市で16試合開催され、函館は、久慈捕手や第8代日魯社長の谷脩治氏の尽力で、函館大火(昭和9年3月)からの復興を願い、11月8日(第3戦)に湯の川球場(現函館湯川中学校)で行われた。大リーグ選抜がベーブ・ルースのホームランなどで5対2で勝利した。

提供 - 函館新聞社


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