娘から見た父・啄木 文学館で特別企画展

update 2013/4/8 09:59


 函館ゆかりの歌人、石川啄木(1886〜1912年)と妻節子(1886〜1913年)、長女京子がそれぞれ「親子」を思い慕った直筆の書簡や、京子の家族写真などを紹介する「石川啄木の遺児たち」が7日、函館市文学館(末広町22)で始まった。父となった喜びから病で父としての役割を果たせないもどかしいさをしたためた啄木、偉大な歌人を持つ京子がつづった日記や短歌が並び、来館者は心を打たれている。

 同館開館20周年記念特別企画展として開催。写真は、かっぽう着姿の京子など4点。成人期の京子の写真は珍しく一般公開は初めて。京子の夫・正雄の同僚で2人の仲人を務めた常野知一郎の四男・正紀さん(千葉県在往)が所蔵していた。昨年末に函館市中央図書館の函館啄木文庫に寄贈され、今企画展開催のきっかけとなった。

 啄木の資料は日記や宮崎大四郎(郁雨)に宛てたはがきなど8点。京子の誕生を「いかなる語を以ても表はす事能(啄あた)はず」とし「あゝ明治三十九年十二月卅日、石川啄木は京子の父となりぬ」を文字を大きくして書いている。その後、病床で京子の成長を見つめるはがゆさを歌にしている

 京子の資料は、没後に正雄が発見した日記やノートなど6点。「詩歌を集む/つゆ草」は父の歌などを筆写し、父や母を思って書き留めた「歌稿ノート」「歌手帳」は、啄木が使用していたものと同じような形のものを使用している。同館の藤井良江館長は「直筆から伝わる3人の思い、啄木の父としての姿を感じてもらえれば」と話している。

 10月9日まで。入館料は一般300円、小学生から大学生まで150円(函館市内に在往、通学する小中学生は無料)。問い合わせは同館(電話0138・22・9014)へ。

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 石川京子…1906年12月30日生まれ。5歳の時に啄木が亡くなり、その2カ月後、啄木の次女・房江が生まれる。翌年5月5日に節子が死去。遺児たちは函館で育ち京子は2人の子供を産むも、30(昭和5)年23歳で病死。房江も18歳で亡くなる。

提供 - 函館新聞社


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